プラズマニュース


朝日新聞 2002/5/20
「WOMAN'S LIFE 」
人を信じて、人と人を結びつけて、新しいもの、楽しい気分を提供したい

人と人、人と物が相互にかかわり合う中で、マーケティングや商品企画、イベントプロデュース、人材教育などを通して、コミュニケーションをコンサルティングしていくことが私の仕事だ。
私は大学卒業後、百貨店に就職した。男女差は当たり前だった雇用状況の中、あえて男女の条件が同じ企業を選んだ。大卒女子の採用は2年目で新入社員教育は厳しく、ぞうきんがけから、高い販売力まで要求された。振り返ると、この時の経験が私のマーケティングの始まり。顧客と商品と私のトライアングルの中で、最も効率的に売り上げを上げるための方法を考えた。靴を79足売った日もあった。プレッシャーからトイレで泣いたことも……。
入社3年目に社内結婚のため退社した後、コンピューター会社に入った。コンピューター技術が不可欠な時代の到来を感じ、仕事をしながら学んだ。その後、広告代理店に転職。面接で百貨店での経験を強くアピールして採用された。配属されたマーケティング局では、調査方法から企画書の書き方まで教わり、1年後、商品のカタログやコマーシャルフィルムを製作できるまでになった。
30歳の時に妊娠した。子どもはいつかは産みたいと思っていた。その時が来たのだ、と育児に専念した。手を出さずに見守る育児が子どもの感受性を伸ばすと信じて実行した。子育てはクリエーティブで最も面白い仕事だと思う。10年後か20年後、子どもの感受性を伸ばす育児のカリキュラムを創りたい。それが私の仕事の究極の目標だ。
娘が3歳の時、娘の承諾を得て仕事に復帰した。元の職場の広告代理店から化粧品のブランドを任され、社員にならずに受けた。社員だと時間を制約され、子育てとの両立は難しくなる。待遇は不安定でも両方を手に入れたい、と考えての選択だった。
昨年1月に念願の会社を設立した。現在は、映画祭などのイベントや女性市場商品のプロジェクトに忙しい。化粧品の販売員の教育も担当し、顧客とのコミュニケーションで、肌に優しく触れるスキンタッチングを大切にするよう販売員に伝えている。
仕事を続ける上で最も大切なのは、自分がどう生きたいか決めておくことだと思う。自分の勘を信じて5年後、10年後「私はこうなりたい」としっかりイメージして自分の道を歩いていく。


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